まず、アタマから否定しようという気持ちを取り払うこと。カラフルな(ある意味、粗っぽい画風の)アニメにもかかわらず、『サウス・パーク』のこの無修正映画版は子どもには絶対に適していない。神や魔王、その魔王サタンに文字どおり添い寝するサダム・フセイン、そしてカナダをネタにした度を越す表現で、クエンティン・タランティーノでさえ顔面蒼白になる冒涜的要素がぎっしり詰まっている。スカトロジーのギャグ、みだらなセックス表現、政治的に不適切なセリフ、明るく奔放な下品のオンパレードだ。それは、かつてなく知的な風刺ともとれるのだけれど。
物語はこうだ。お腹にガスのたまった下品なカナダ人コメディアン、テランス&フィリップの映画が大ヒット。その映画をこっそり観た、サウス・パークの小学3年生の4人組、スタン、カイル、ケニー、カートマンが放送禁止用語を繰り返すようになる。「カナダに反対する母親の会」を組織する高圧的なカイルの母を中心としたサウス・パークの大人たちは、子どもたちの堕落を恐れ、テランスとフィリップを逮捕し、公開死刑にしようとする。2人を処刑から救おうとする子どもたち、そして世界を支配しようとするサタンで世の中は大混乱!
これ以上細かく物語を説明しても、おもしろさが伝わるものではない。トレイ・パーカーとマット・ストーンのこの長編ヒット・コメディは、ポップ・カルチャーの完璧で陽気なパロディだ。ところで、だれか本作をミュージカルと呼んだ人がいるだろうか? オープニング・クレジットの「マウンテン・タウン」から、明るく前向きな合唱「イッツ・イージー」、サタンによるディズニーをパロったバラード「アップ・ゼア」まで、パーカー(全曲の歌詞を手がける)は、「美女と野獣」や「レ・ミゼラブル」といった大ヒット・ミュージカルを巧みに取り込んでいる。
自由を主張するスピーチや、善意のようだが見当ちがいの親たちの自主規制集団(明らかにアメリカ映画協会をイメージ)を風刺する場面では、大人たちの偏った見方や偽善に対し、容赦なく攻撃してくる。ギャグはここには書けないほど本当に低俗で粗悪なのだが、ひどくおかしい。とくにテランスとフィリップの歌詞には、床の上で転げ回ってしまう。でも心配しないように。カートマンの台詞をアレンジして言えば、「この映画はあなたの繊細な心を歪めることはない。少なくともに米国憲法第1修正に対して、なんらかの反感を持っていなければね」ということだから。


関西語が本当面白い。3倍くらい面白くなっちゃうかも。
サダムとサタンのやり取りが一番私はウケた。

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